糖尿病食事療法は、すべての人のための “バランスの良い食事”モデル

炭水化物は、一般名(?)で言えば、
「糖質(ex.ブドウ糖、砂糖、でんぷんなどの糖類)」「食物繊維」。


それ以上分解されない単糖類として、
ブドウ糖、果糖、ガラクトース。

身近な砂糖(蔗糖)は、
ブドウ糖(グルコース)と果糖(フラクトース)でできた二糖類です。

穀物・芋に含まれる「でんぷん」は、
ブドウ糖がたくさん連なった多糖類。

そして、ここが大事!
たくさんとりたい「食物繊維」も
体内の消化酵素では消化できない難消化性多糖類で
炭水化物なんです。



まず、砂糖などの糖類について。

「ブドウ糖」が2つからなる二糖類は
「麦芽糖(マルトース)」といいます。
「でんぷん」が消化されていく過程での  
ブドウ糖の一歩手前の形です。

一般に血糖値は 血中ブドウ糖を測定します。
インスリンが働くのもブドウ糖に対してです。

鎖が一つ切れるだけでブドウ糖になる砂糖(蔗糖)を食べれば、
すぐに吸収されてブドウ糖が血液中に急激に増えるのもイメージできますね。

果糖は、
肝臓でブドウ糖にもつくりかえられますが、
どちらかというと
中性脂肪(トリグリセリド)を高め
肥満につながります。



次は、

ご飯やパン、麺類、イモ類に含まれる 「でんぷん」。

「低炭水化物食」は、
でんぷんも減らそうというものなのでしょうか。

(諸説ありそうですので 私の考えでお話をすすめます)

私が“バランスの取れた食事”の基本モデルとして用いているのは、
1960年代から続いている
日本糖尿病学会編 『糖尿病食事療法のための食品交換表』(文光堂)。
1980年代の第4版から利用しています。
現在は第7版になっています。
また、
女子栄養大学出版部『食品80キロカロリーガイドブック』
がいつもそばにありました。

でんぷんは、ブドウ糖の長い鎖で、
唾液アミラーゼ、膵臓のアミラーゼ、小腸のマルターゼによって、
吸収可能な「ブドウ糖」になり やっと血液中に入ることができます。
つまり、
砂糖(二糖類)に比べ ゆっくりと血糖をあげ、
インスリンもそれに合わせて少しずつ出てくることになります。
脳が利用できるエネルギーは「ブドウ糖」だけと考えても
安定した血糖は必要ではないでしょうか。
もちろん私たちの体は、
不足に備えて
脂肪やたんぱく質から ブドウ糖を作り出す機能を持っていますが、
「ケトン体」が出るような飢餓状態は 困ります。

ご飯は150gで240kcal (お米なら約半合です)
・・・糖尿病食品交換表1600Kcalモデルでは
これが一回の主食の基本3単位。
食パンなら6枚切り1.5枚、干うどんなら60g、 
に交換可能です。
主食には、糖質だけでなく、たんぱく質も含まれています。

私は、
適量の主食をきちんと摂り、
ビタミン、ミネラル、食物繊維を含めた6大栄養素をバランスよく合わせて、
総エネルギーを調整する体重コントロールをお勧めする立場です。



積極的に摂りたい食物繊維
炭水化物の中に含まれることは
意外に知られていないのかもしれません。



ちなみに、
『糖尿病食事療法のための食品交換表』1~6表の中には、
アルコールやお菓子などの「し好品」は含まれていません。
「できるだけ避けましょう」ということです。
炭水化物の中でも、
砂糖(糖類)はできるだけ減らしたいものです。


「低炭水化物食」という食事療法が、
世の中で」は注目を集めているようですが、
日本糖尿病学会の
「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013」(p.32~33)
を見てみますと、
低炭水化物食の体重減少効果について、
「ADA(米国糖尿病学会)は体重減少の目的に短期間の低炭水化物食も効果的と述べているが、・・・、特に低炭水化物食が低脂肪食より優れているとはいえない」としています。
食後高血糖の是正のための低炭水化物食の是非についても、
「十分なエビデンスとはいえない」というところでしょうか。
炭水化物の割合だけでなく、
他の栄養素の配分や質も合わせて検討しているところのようです。
言い回しが難しく、読み取りにくいかもしれませんが、
興味のある方は 下の★から 原文を読んでみて下さい。
(日本糖尿病学会は、そのHPにガイドラインを公開していますので、自由に閲覧できます。)
2014年の学会学術会議でも賛否両論の議論はあったようですが、
学会としての変更はなかったようです。

日本で1970年代から血中脂質の研究・臨床を進めていらした 村瀬敏郎先生も、
高脂血症の患者さんの食事療法として
「糖尿病食事療法のための食品交換表」の利用を勧めています。


特定健診・保健指導と同時に、
厚労省は「バランス独楽」の普及を図りましたが、
保健指導の現場の私たちには
使い勝手が悪くて困りました。
ワンプレートで済ますような極端な食生活をしている方には、
使用食材を増やすことに効果があります。
でも、
「1つ(1SV)」に含まれる食材成分は様々で、
『糖尿病食事療法のための食品交換表』
を基礎にした栄養素のバランスに比べたら、
あまりにも about で自信をもって説明できないのです。

糖尿病食事療法は、すべての人のための “バランスの良い食事” だと思います。
経験上、何か特別な “○○ダイエット” よりも、
確実に真剣に取り組めば最も成果の出るもので、
習慣化しやすいものだと 今でも感じています。

一度使い方を覚えてしまえば、
とても分かりやすいものですよ。
糖尿病になってからではなく、
望ましいバランスの取れた食事
を身につけてみてはいかがでしょうか。


そうそう、第7版からは、
炭水化物の割合を総エネルギーの50%・55%・60%で
選べるように改訂されていました。
これまでは60%だけでしたので、
時代の流れにも対応しているようです。
私は、
炭水化物の割合を減らす 高脂肪・高たんぱくの食生活の欧米化には、
どちらかというと賛成ではありません。
選択肢が増えたという意味ではいいのかもしれません。

画像



我が家の飲み物は、牛乳、お茶、無糖コーヒーです。

いただき物の「ビタミンC.C.レモン」をだしてみましたら、
原材料名には「糖類(果糖ブドウ糖液糖、砂糖)」があり、
栄養成分には、「100mあたり炭水化物10.1g 」。
これ1本(500ml)で 砂糖が50g ですよ。
申し訳ないけれど 処分します。
(良くないものとわかっていて 人様にも差し上げられません)

冷蔵庫に 夫が買ってきた
「紅茶の時間 カロリーオフ」が1本ありました。
これだって炭水化物(砂糖)が500ml中に20gも入っています。
いくら教えても 強調された言葉「カロリーオフ」に騙されて 買ってくるんです。
きっと、「え~。そうなの?! ごめん。」で終わってしまいますが、
何度でも伝えます。(笑)

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