「産業医」って素敵な仕事だと思います ~三宅 琢 医師

昨年12月に ストレスチェック制度の実施が義務化されて、
11月末までに第1回目のストレスチェックの実施が求められました。
(ストレスチェック受検結果の通知を11月末までに行うこと)
そして、最も大変なのは、これからの高ストレス者に対する対応でしょう。

事後措置としての面談は、「医師」が行う必要があるのです。
 (産業医でなくてもよい)

労働基準監督署に提出する面談結果記録も、
「医師」が記載しなければなりません。


果たして、・・・・

(専属産業医を持つ大企業は良いとして)
50人以上の従業員を持つ多くの中小事業所は 対応できるでしょうか。

特に 地方の場合、産業医の多くは、
診療所で日常の診療業務をしている医師が兼務していることが多いのです。

「産業医」の資格をもって 事業所と契約していても、
月1回の職場巡視・衛生委員会への参加など 実施できているでしょうか?
(職場で働く皆さんは、自分の事業所の産業医の顔を知っていますか?)

今までの業務でも難しかったのに、さらに加わった ストレスチェック制度。

正直なところ、これだけ専門化のすすんだ医学の中で、
心理社会的な面への対応まで 「医師」に求めることは妥当でしょうか?

“医師万能”の考え方に疑問を持っています。

真剣に取り組んできた医師でしたら、
「産業医の認定を更新しない」 ということも考えてしまいそうです。

自分の診療所のほうだけでも忙しい。
さらに、新しい制度について学ばなくてはならない。
メンタルという ある意味特殊(?)な分野には 対応の難しさを感じる。
                                        ・・・・etc

中小事業所などでは、契約産業医が面談をしてくださればいいのですが、
メンタル対応に自信がなければ 引き受けてくださらないかもしれません。


ストレスチェックの実施には
多くの健診(検診)機関やWEB実施機関がビジネスとして参入しました。
もちろん
高ストレス者フォローについても 支援プログラムは用意しているようです。

でも、ある実施機関の例では
医師による面談費用は、1件当たり1.5万円~3万円。
  
産業医契約として定期的に報酬をお支払いする上に、
健診後の事後措置に関する費用もそうですが、
個別の対応をお願いするならば、別費用の支払いが普通です。
中小事業所にとっては、思いもかけない負担増にもなります。

さらに、
健診機関などから派遣される「医師」は どんな「ひと」なのかもわかりません。
「保健師」も同じです。
資格だけでお願いすることになります。
特に、メンタル支援にかかわることは、「ひと」が大事ではありませんか?
(困ったことです・・・・)


そんなことを考えていましたら、今日の朝日新聞で、
「産業医」を通して自分の使命ともいえる活動をしている素晴らしい医師を見つけました!

病気だけを診るのではなく人と社会を診られる医者でありたい
(株式会社 Studio Gift Hands 代表取締役 三宅 琢医師)
  
・・・。患者は会社や家庭など、社会の中で生きているという当たり前のことでした。医療もリハビリも会社で働く環境もトータルにケアして初めて、その人を本当に救うことになる。一人の人を自立して生きていけるようにすることを目標にする。そんな医師免許の使い方があってもいいのではないかと思ったのです。
・・・・。人は自分の中に気づいていない才能(Gift)を持っています。Studio Gift Handsは、すべての人の才能への気づきや出会いをサポートする手(Hands)になることを目標としています。・・・・。

尊敬する人: スティーブ・ジョブズ ・・・・起業家スピリットを感じます♪


人とかかわることが好きでなければ産業医は難しいと思います。
生活者でなければ、生活者を理解できないでしょう。
社会の一員として広い視野も必要です。

でも逆に「ひと」が好きであるならば、魅力ある選択肢のひとつになりませんか?

最大のブラック企業(?)とも言われる医療機関で、
過酷な労働を強いられていると認識されるようになった「勤務医」という仕事。
三宅先生も指摘しているように、
例えば、結婚・出産・育児もという人生を選択する女医であれば、
「産業医」という道もあるわけです。 (女医に限りません)
企業の専属産業医なら、年棒1200万円以上での求人があるようです。
三宅先生のように、数社との契約産業医になれば、
夜勤なしで、
ある程度時間も自分でコントロールしながら生活することもできるのです。


ストレスチェックの高ストレス者フォローについては、
「保健師」「産業カウンセラー」という資格を持つ私にも、
事後措置としての面談はできないかと ご相談が入ることがあります。

でも、
「面談結果記録は 医師が書かなければなりません。」
「私に対応が可能なのは、身体症状の点数が高い方のうち その原因になっているのがどちらかというと勤務状況ではない場合の高ストレス者です。 ストレスチェック制度とは別に 福利厚生として保健師の定期的な健康相談を社内に取り入れ、高ストレス者を減らす対策をとることをお勧めします。」
とお答えしています。

「産業医」と連携をとっていくためにも、
『産業医のQ&A』 などの書物のほか、
産業保健総合支援センターからのメルマガで研修等の情報をえながら、
産業保健に関する学びは続けています。


三宅医師のように、積極的に産業医活動を展開する医師がたくさんいらしたら、
過重労働をはじめとする多くの社会問題がよい方へ向かうのではないでしょうか。

現在の生活者の多くは、「仕事」にかかわる問題で健康を損ねているように思います。

若い世代に働きかけることができるのも 産業保健の魅力です。




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産業医の職務Q&A編集委員会  編           

平成27年5月14日 第10版増補改訂版発行 
(平成26年3月27日 第10版)
B5判/566頁/本文2色刷

定 価:3,456円(消費税込)
送 料:  350円

産業医学振興財団より購入可




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この記事へのコメント

2016年12月08日 10:32
うちの息子、、某大企業の産業医も月一やつていますよ。
大変らしいです。守秘義務なので何も言いませんが。

時代のニーズなのですね。
2016年12月08日 13:54
産業医(産業保健職)は、まさに「守秘義務」の姿勢が重要になります。
従業員の健康情報を そのまま事業者に伝えてはいけないんです。
労働者と事業所の双方に不利なことが起こらないように、専門職として中立の立場で行動しなくてはなりません。
技量が問われる仕事ですね。

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