訪問看護師は確保できるか? ~低待遇なのは介護職だけではない

看護職の給与は、良いと思いますか?

求人広告で見ると30万円台が多く、高給と思われてしまうようですが、
これには月に10万円ほどの夜勤手当が含まれているのをご存知ですか?
ある程度の時間外手当も含まれているかもしれません。

基本給は、きわめて安い!のです。

そのうえ 実は看護職の給与は、年齢による加算がとても少ない。

高所得者は、たぶん中高年まで継続している管理職だけでしょう。
病棟看護管理者(師長)には、夜間管理者という夜勤もありますから。


いま、国が推し進めているのは、

入院療養から在宅療養への移行です。


患者にとっては良いことのようですが、

在宅診療報酬も医師には魅力があるようですが、

在宅診療を支える訪問看護師はどんな状況にあると思いますか?


少し前に、
在宅診療を数年間経験し 来年度から進学してさらに勉強したいと考えている方とお話しする機会がありました。
その置かれている職業的待遇にびっくりしました。

その常勤報酬で生活の糧を得ていけるほどは期待できない。
ボーナスはないに等しい。

多くの訪問看護ステーションでは、常勤看護職は所長を含めた少数で、
非常勤(時給報酬)の看護職が多いというのです。

訪問看護ができるということは、
いくらスマホなどのIT機器が使えるようになったとしても
「ひとりで動く」という大きな責任を背負っているわけです。
そばに相談できる人がいる病棟とは大きく異なる環境です。
「病棟」は自分の場所、訪問する「家」は 相手の土俵です。
臨機応変な判断、行動ができなければなりません。

ですのに、なぜ、安い給与しか支給されないのか!


今のままでは、介護職同様、現場に入っても長続きしないでしょう。



一番困るのは、国民です。

どんな状況で在宅へ療養の場を移すことを求められるでしょう。

医療処置が必要な状態でも 「家へ帰りましょう」と提案される。
たとえば、
痰の吸引が必要な気管切開のまま。
褥瘡ができていて、その処置が必要なまま。
 ・・・・・
院内でさんざん治療した果てに、
医療機器を体につけて「家」に帰し、在宅での対応を求める。

介護職だけで看ることができるレベルではなくなりつつある。。。

それが現在の訪問看護師の置かれたの実情とのことです。



日常は、だれが面倒を看るのでしょう。
高齢化した現代では、
配偶者でなく子であっても 「老々介護」が多くなります。

医療が必要ないのに入院していた少し前(「社会的入院」)とは
状況が変わっているようです。

なんと過酷な在宅介護・在宅療養でしょう。。。


はたして、
訪問看護師はこの状況に対応できるのでしょうか???



看護師という仕事を主にすることを選び、独身の場合も多い。
そうした人が、
自分の給与で生活し、退職後の生活費を貯蓄していくことができなかったら、その仕事は続けたくても続けられません。
介護職や保育士の給与待遇UPが叫ばれますが、
看護職もこの先 介護職同様 目指す人がいなくなるかもしれません。

養成しても、続かずに辞めていく。

在宅看護職は地域にたくさん眠っているのです。

そのスキルを活かすのには、時間当たりの報酬を上げて
短時間でも地域の看護力として活躍してもらうのが一番だと思います。

薬や検査には高額な報酬をつけ、
人件費が安いのが、日本の医療のオカシナところです



医療処置が看護職には不可欠になってしまったので、
ブランクのある中高年の看護職には(非正規でも)求職はないに等しい。
本来の看護の業は介護職に移行してしまいました。
施設では、介護助手として年配の看護師が働くという状況も起きている。
良いことなのでしょうか?(わかりません)


経験からの学びは、
人間を対象とする仕事には 一番貴重なことだと思うのですけれど、
それが評価されない不思議な職業です。

診療報酬上の基準を満たすために看護師の数を確保していた昨今。
「数より質」などと言っても、営利一番の医療機関には届きません。



誰でもずっと健康ではいられない。
病や死は、誰にでも訪れるものです。

その時 頼りになるのは誰ですか?
どんな医療専門職ですか?

在宅療養と在宅死を目指すようになった今、
最も身近な支援者は、
訪問看護師と訪問診療医、介護職になってきました。
ケアマネジャーも基本資格の多くは医療従事者です。

在宅介護は専門職のコミュニケーション・連携があって成り立つもの。


訪問看護師について、国民の皆さんの期待はいかがなものでしょう?



先週から朝日新聞では、
永六輔さんの在宅療養の様子を連載していました。

公的な介護・医療のほかに、
家族の介護に加えて、信頼できる「看護職」の支援をお願いしたのです。
生活の助言者・提案者としても機能していたようです。

看護師=注射器 のイメージが強い日本ですが、

私は、今後 公的なサービスだけでなく個人的に在宅療養のために
看護職を探す人が多くなるのではないかと考えていました。

そこに、この新聞の連載を見つけて、とても嬉しかったのです。

自費で看護職の支援を受けるという選択枝があるんです。


高額な抗がん剤を使うことと比較してはいけないでしょうか?

私には、介護サービスという「人」にお金を使うことのほうが
賢いお金の使い方だと思えます。



公的な医療・福祉サービスは、
税金からの補助があるから安く利用できるのです。

専門職である看護職に介護をお願いするなら
やはり相応の報酬を払う必要があります。
一方、
仕事を受けるほうは、
「その料金に見合った看護」を提供しなければなりません。


看護職が 地域で自分のスキルを活かす場を見つけ、
利用したい人が 自分にあった上質の看護を受けることができる。

そんな仕組みができるといいなぁと考えています。



看護師も一人でも開業できないか。。。
(「訪問看護ステーション」開設の要件には常勤看護師2.5人という規定があります。 この規定が自由に看護職が地域で働くことができない“縛り”になってしまいました。)


「キャンナス」という取り組みもあるようですが、
ボランティアでなく、
「資格」でなく、
人間性やスキルを含めた一人の看護職(専門職)として働くことができるようになってほしい。
そう思うのです。



「人は死にます。必ず死にます。その時に 生まれてきてよかった 生きてきてよかったと思いながら死ぬことができるでしょうか そう思って死ぬことを大往生といいます」(永六輔著「大往生」より)





それぞれの人の ぞれぞれの価値観 を尊重します!
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