緩和ケア病棟を選ぶ決断 ~がん患者・家族の会(2019.5.18)

埼玉県鴻巣市のフリーランスの保健師 栗原です。

人生は自分の選択の積み重ね

~あなたが自分らしく生きるために

 あなたの意思決定を支えます~




 *  *  *  *


5月18日(土)は
茨城県古河市のがん患者会『サルビアの会』に
参加してきました。

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5月の第一土曜日は連休中のために
サルビアの会はお休みでした。

連休直前に
お母さんのがんが「末期の状態だ」と言われ
救急車で入院させたという○さん(50代男性)。
連休明けに赤荻先生に相談しているのですが、
まだまだ落ち着かない表情です。

「救急で入院した病院で、
(膵臓がんによる通過障害に)
ステントを入れようとしたのですが
2回ともうまくいきませんでした。
そのうえ、
2回目が終わったら
すごく元気がなくなってしまったんです。
やらなければよかったんだろうか・・・って。
今は、
点滴を入れて、酸素マスクをして、
脈拍数が180を超えるような感じで・・・
Y病院の緩和ケア病棟に移る話も出ているんですが、
今は空いていなくて、特別室ならありそうなんですが、
でも、家に帰りたいって言ってたのが・・・
ん~、どうすればいいのか。。。」


先生を含めて
みんながいろいろな状況を考えて
意見を出し合いました。
○さんとお母さんにとってどうするのがいいのか。

○さんはお母さんと二人で暮らしてきました。
仕事はフリーランスなので
今でもできるだけ調整をしていますが、
赤荻先生に主治医になってもらい
在宅療養に切りかえても、
ずっと誰かに見ていてもらわないと
心配でたまらない。

これまで利用していた訪問看護ステーションは
とても行き届いたサービスを提供してくれるところだそうですが、
それでも、
ヘルパーさんに頻繁に入ってもらうとしても
同じヘルパーさんにいつも来てもらえるわけではない。

「家に帰りたい。」
というお母さんの希望を叶えてあげたいけれど、
○さんは病院のほうが安心と考えているよう。

点滴で体は浮腫んでいるそうです。
そのような対応をしている病院ですから、
「食べたい」って言っても絶食の指示に違いない。
認知機能が低下していたかかわらず
点滴を抜いてしまうことはない。元気もない?


○さんを知るMYさんは
「○さんには在宅はきついでしょ。
アタフタしちゃうと思うの。
緩和ケア病棟に入れてもらったほうがいいと思うなぁ」
と隣でささやく。

在宅ならば、何の制限もなく、
それこそ口に食べられそうなものを少量入れてみることだってできる。
点滴は外して(少量でも可)、
酸素マスクだって無理につけなくてもいい。
できるだけ自然に最期を迎えさせてあげたい。
Y病院の緩和ケア病棟なら
外泊で自宅に帰ることができるかもしれない。
これは、医療者としての考え方か。。。


2週間前、○さんは
「何とかして生きてほしい、
できることがあるなら探したい。」
って言っていたのを思い出します。

治療をやめるという意思決定は難しい。

会の最中も
○さんの表情は沈んだままでした。



会が終わって、席を立ってから、
私は○さんに話しかけてみました。

「MYさんともお話したんですけど、
特別室をお願いしてでも
Y病院の緩和ケア病棟に移ってはどうでしょう?」

「緩和ケア病棟に申し込むってことを選ぶのにも、
私にはとても勇気がいりました。」

「積極的な治療はもうできないのだということを
受け入れるのが辛かった?」

「そうです。
そのうえ、在宅はちょっと・・・
家で何か、例えば出血することもある
そんなこともあると言われていて・・・」

「そうなったら ○さんは
自分がどうしたらいいか分からなくなるだろう
と心配しているんですね。」

「はい、そうです。
きっとパニックになります。」

「うん、うん。
 ・・・
緩和ケア病棟のほうが
お母さんは自由になると思いますよ。
少なくとも今行われている処置は
お母さんを楽にしてはいないように思うんです。
月曜日にどう動くか
もう少し考えてみるといいですね。
MYさんもいるし、私も電話でお話しできます。」



積極的治療をやめることで得られる「QOLを維持し 残された時間を有意義に使うこと」は患者にとっての利得です。しかし一方で、積極的治療をやめることで「生き続けることはできない」という損失が確定します
この利得と損失を比べると、「QOLを維持し 残された時間を有意義に使うこと」と「生き続けることができないこと」がその人にとって同じ利得・損失の大きさだと仮定しても、マイナスのほうがその価値は大きく感じられます。

(この言葉は、ちょうど帰宅してから開いたFBに流れてきました。
経済学的な視点での患者の意思決定について述べたもの。
気になってメモにコピーしておいたのですが、出典は残していませんでした。)


これが
○さんの言葉
「緩和ケア病棟に入ることを選ぶ勇気」
の意味でしょう。



今日、○さんから電話がありました。
お母さんの様子とともに、
明日は緩和ケア病棟に少しでも早く移動できるよう
特別室の申し込みをしてみようと思う、と。

迷って考えて出した答えが最善。
状況によってはいつだって変更して良い。

一人ではなく
サルビアの会の仲間から
いろんな意見を聞けたことが
とてもありがたかったそうです。
(会の終了後には自由参加のランチ会が定例です)

声が少し落ち着きを取り戻していたように感じました。



 *  *  *  *


それぞれの人の ぞれぞれの価値観 を尊重します!


埼玉県鴻巣市の開業保健師です。
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